一時停止↑
強烈な嵐が去って、DORIAN 湾に数日ぶりの晴天が訪れた。日射しの降り注ぐ穏やかな昼が過ぎ、やがて夕陽が沈みかけると、南極の山々は黄色、いや、どう見てもまぶしい黄金色に輝いた。
停泊した[青海]の背後、Anvers島にそびえる標高2821mのFrancais山は、すでに輝きを失って、あたりに響くのはペンギンたちの声ばかり。よく見ると、 岩の上に点々と、ペンギンたちの白い腹が並んでいる。
壮大な山々と海の、こんな景色を体験した人間は、もしかすると地上に一握りもいないかもしれない。